〈ロス・クラシコス〉 スペインのロマン主義演劇を、世界の最前線に押し出した名作。ヴェルディのオペラ化でも有名。
1836年、23歳で執筆した『吟遊詩人』El trovador 、スペインで初演。
1853年、ベルディがオペラ化し、ローマのアポロ劇場で『イル・トロバーレ』(吟遊詩人)として公演、大成功。
スペインのロマン主義演劇を、世界の最前線に押し出した名作。
【著者紹介】アントニオ・ガルシア=グティエレス(アントニオ ガルシア グティエレス)
スペインの劇作家。ロマン主義演劇の中心的存在。カディス県のチクラーナという町に生まれ、最初は郷里で医学の道を志しますが、天分は演劇にあると悟り、20歳で首都マドリードへ移住しました。雑誌の編集に携わりながら、23歳のときに書いた『吟遊詩人』El trovador (1836)が大成功を収め、文壇に不動の地位を得ました。初めて上演された戯曲が出世作であり代表作であるという希有な作家です。以後も戯曲を発表し続けましたが、『吟遊詩人』ほどの評価は得られませんでした。また、サルスエラと呼ばれるスペイン版オペレッタの台本も手がけました。後年はアメリカへ渡ったり、外交官としてヨーロッパの地を移り住んだりもしましたが、スペインへ戻ってからは考古学博物館や国立図書館の館長に任命され、最終的にはスペイン王立言語アカデミアの会員に選ばれました。他にも特筆すべき作品としては、ジェノバ公爵に反旗を翻すべく陰謀を企んだ人物を描く『シモン・ボカネグラ』(1843)、カタルーニャを舞台にした活劇『カタルーニャの報復』(1864)、16 世紀に起きたヘルマニアスの乱の首謀者を主人公にした『フアン・ロレンソ』(1865)などがあります。イタリアの作 曲家ベルディ(1813¬–1901)は1853年に『吟遊詩人』を、1857 年に『シモン・ボカネグラ』をオペラ化しています。
Valladolid で学んだ Ernesto Mr. T としては Es autor también de El duende de Valladolid (1846) ということも述べておきたいと思います。
Antonio García Gutiérrezスペイン文学