2012年4月9日月曜日

生きているか、我々は? vivir por completo su vida

"I can't stand it to think my life is going so fast and I'm not really living it."
"Nobody ever lives their life all the way up except  bull-fighters."
           --- Ernest Hemingway, The Sun Also Rises (1926)

( まずは英語の学習を少し。日本の受験用の文法書ではよく、nobody の所有格は his か his or her という説明が見受けられますが、their の方が一般的です。
次に、スペイン語訳と拙訳を付しておきましょう。 )

   --No soporto la idea de pensar que mi vida transcurre tan de prisa que no la estoy viviendo de verdad.
   --Nadie vive por completo su vida excepto los toreros.

「人生がこんなにも速くどんどんと過ぎていっていて、その自分の人生を実際には生きていないんだ、と思うと、耐えられないんだよ」
「自分の人生をとことん生き切っている奴なんていないさ、闘牛士でもないかぎりは」
                                                       ---アーネスト・ヘミングウェイ 『日も昇る』--- 























昨年の夏、作家がまだ若くて貧しいころ定宿としていた Madrid の hostal <http://ernesto-mr-t.blogspot.jp/2012/04/un-hostal-atractivo-en-la-carrera-de.html>で Fiesta [ = The Sun Also Rises ] を再読しました。上記のような英語原文とスペイン語訳の両方で。

それまで全く ( スペイン語どころか ) 英語にも文学にも興味の無かった高校1年生、15歳の Ernesto = Mr. T を目覚めさせたのは「日も昇る」の作者 Hemingway だったのです。

2年前にノーベル文学賞を受賞した、やはり闘牛好きのMario Vargas Llosa ( ペルー ) が、昨年6月に東京大学で行なった講演で語ったように、

文学とは、実生活には存在せず、存在しないからこそ創造される、空想と言葉による、はかない架空のものでありながら、驚くべき現実性を備え、人間が体験できる最もすばらしい経験。とりわけ男女が互いに愛し合っているときのような人生のありとあらゆる活動を豊かにする高揚。不十分な実人生・現実を補完してくれる、人間にとっての基本的な必須物...。

...なのです。

51年前の夏、7月2日の早朝、アメリカ合衆国アイダホ州ケッチャムで、一発の銃声が鳴り響きました。ライフルの銃口を口に銜《くわ》え、足の親指で引き金を引いたのです。Ernest は 61年の人生に自ら幕を降ろしたのです。

闘牛士のように生きたのでしょうか。¿Vivió por completo su vida?



以下のページも参考になりますよ。

http://www.taurologia.com/influencia-tauromaquia-obra-literaria-ernest-1601.htm

ご意見、ご質問等ございましたら、<ernestotaju@yahoo.co.jp へ。

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