2012年4月8日日曜日

英国現代作家ベスト50(2008年) mejores escritores británicos

 前回まではスペイン語の作家の話が多かったので、今回はイギリスの作家を取り上げます。4年前に イギリスの The Times 紙が選定した、現代作家ベスト50です。英語好きの方の読書の一助になれば幸いです。

The Times 50 greatest British writers since 1945 is set out in ranking order. The full list reads as follows:
(日本語による簡単な解説は私、Ernesto Mr.T )

1. Philip Larkin (1922 -1985) 現代イギリス人の心を惹き付ける不思議な魅力の詩。You Tubeに本人による朗読あり。
2. George Orwell(1903 - 1950)村上春樹の『1Q84』の元となる1984 で(あまりにも)有名。
3. William Golding(1911-1993)1983年ノーベル文学賞。Lord of the Flies『蝿の王』は日本でも高校の課題図書。
4. Ted Hughes(1930 - 1998)詩人、児童文学者。桂冠詩人(1984 - 1999)。Dailymotion に Song など朗読多数。
5. Doris Lessing(1919 - )2007年ノーベル文学賞。猫好きで Particularly Cats(1967)という随筆あり。 
6. J. R. R. Tolkien(1892 - 1973) 日本でも『指輪物語』The Lord of the Rings が大人気となる。
7. *V. S. Naipaul(1932 - )2001年ノーベル文学賞。コミカルな作風。トリニダード・トバゴ生まれ。
*  世界最高級の英語のスピーチ V. S. Naipaul, V. S. Naipaul 続き premio nobel
8. Muriel Spark(1918 - 2006)スコットランド出身。映画化された The Prime of Miss Jean Brodie《ミス・ブロウディの青春》 は日本でも有名。
9. Kingsley Amis(1922 - 1995)酒好きで、On Drink (1972) には同じく酒好きの吉行淳之介訳『酒について』がある。
10. Angela Carter(1940 - 1992) 日本にも2年ほど滞在。A Souvenir of Japan 《日本のみやげ》はインターネット上に無料邦訳あり。
11. C. S. Lewis(1898 - 1963)日本でも The Chronicles of Narnia『ナルニア国ものがたり』で人気を博す。
12. Iris Murdoch(1919 - 1999)アイルランド出身。ラテン語も話した。『砂の城』。
13. Salman Rushdie(1947 - )The Satanic Verses悪魔の詩》(1989)事件であまりにも有名。邦訳者の五十嵐一は殺害された。
14. Ian Fleming(1908 - 1964)ロンドン生まれの冒険小説家。007、James Bondシリーズ。Ian自身も元スパイ。
15. Jan Morris (1926 - ) 元男性。邦訳もある Spain 他、膨大な著作量。
16. Roald Dahl (1916 - 1990) MATILDA (1988) はハリボタ以前では児童文学の第1位を独走していた。
17. Anthony Burgess (1917 - 1993) 御存知スピルバーグA Clockwork Orange《時計仕掛けのオレンジ》 の原作者。ほぼ全作品が邦訳されている。
18. Mervyn Peake(1911 - 1968)中国生まれ。Gormenghastシリーズで有名なファンタジー作家。邦訳も多数あり。
19. Martin Amis(1949 – )9位のKingsley Amisの息子。Successなどは邦訳もある。Dead Babies が映画化された。
20. Anthony Powell(1905 - 2000)英本国ではTVドラマなどで大人気だが、日本では無名。邦訳作品無し。
21. Alan Sillitoe(1928 - 2010)The Loneliness of the Long-Distance Runner長距離走者の孤独》 は日本でも高校の課題図書(永川玲二《El Chino》訳)。
22. John le Carré(1931 - )スパイ小説で世界中に知られ、映画化された作品も多い。日本にもファン多し。
23. Penelope Fitzgerald (1916 – 2000) 邦訳は1作品のみ、晶文社から『テムズ河の人々』(ブッカー賞受賞作)。
24. Philippa Pearce (1920 – 2006) 児童文学。TOM'S MIDNIGHT GARDEN (1958)でカーネギー賞受賞。
25. Barbara Pym(1913 −1980)「20世紀のオースティン」と称される。An Excellent Woman (ホームページ)。
26. Beryl Bainbridge (1932 – 2010) 最も影響を受けたのは、ロレンスのSons and Lovers 。
27. J.G Ballard (1930 - 2009)映画化されたEmpire of the Sun (スピルバーグ監督)には伊武雅刀も出演。
28. Alan Garner(1934 - )SF・児童文学作家。評論社からThe Owl Serviceなどの翻訳も出ている。
29. Alasdair Gray(1934 - )「スコットランドが生んだW・Scott以来の偉大な小説家」処女作Lanark は執筆に25年。
30. John Fowles (1926 – 2005) 「英文学のポストモダニズムの父」。The Collector は日本でも大きな話題となる。
31. Derek Walcott (1930年 - )セントルシア出身の詩人、劇作家。'92年カリブ海諸国出身者として初のノーベル文学賞。
32. Kazuo Ishiguro(漢字表記:石黒 一雄、1954 - )長崎県出身。説明不要? The Remains of the Day が特に有名。
33. Anita Brookner (1928 - ) 『秋のホテル』の原作であるHotel du Lac でブッカー賞受賞。
34. A. S. Byatt(1938 - )妹のMargaret Drabble の方が日本では人気がある。Possession: A Romance でブッカー賞。
35. Ian McEwan(1948 - )日本でも新聞・雑誌の書評欄でよく取り上げられるので説明は不要? Amsterdam でブッカー賞。
36. Geoffrey Hill (1932 - ) BBCによると、greatest living English poet。You TubeにThe Stormの部分朗読あり。
37. Hanif Kureishi (1957 - ) 呉石という日系ではなく、パキスタン系。中央公論などから邦訳数冊あり。2004年来日。
38. Iain Banks(1954 - )スコットランドの著作家。『蜂工場WASP FACTORY, THE  は(集英社)文庫にもなっている。
39. George MacKay Brown (1921 – 1996) スコットランド出身。Mr. Tは知らないが、日本でも結構人気があるらしい。
40. A. J. P. Taylor (1906 – 1990) 歴史家。ヨーロッパ近現代史を専門とし、一般向けを含め著書多数。
41. Isaiah Berlin(1909 - 1997)ロシア帝政下のラトビア・リガ生まれ。ユダヤ系の哲学者。Mr. Tは相沢?かと思った。
42. J. K. Rowling(1965 - )あの Harry Potter の作者。
43. Philip Pullman (1946 - ) 児童文学作家、ファンタジー作家。(新潮・創元文庫など)多数の邦訳があるので、説明不要?
44. Julian Barnes(1946 - )ポストモダン? The Sense of an Ending でブッカー賞。日本では『フロベールの鸚鵡』が有名。
45. Colin Thubron (1939 - ) 旅行作家。ロシア・極東関連が多い。邦訳もかなりある。
46. Bruce Chatwin(1940 - 1989)新聞社の特派員をへて作家に。世界各地を舞台に小説を発表。In Patagonia が特に良い。
47. Alice Oswald (1966 - ) 詩人。 T. S. エリオット賞受賞。この50名の中で最年少。美女ではないが魅力的。
48. Benjamin Zephaniah (1958 - ) 詩人。イラク戦争に反対し、大英帝国勲功章の受章拒否。
49. Rosemary Sutcliff(1920 - 1992)超有名。Blood and Sand は宝塚花組で『愛と死のアラビア』として舞台化。
50. Michael Moorcock(1939 - )ファンタジー・SF作家、編集者。(早川や創元で)殆ど全ての作品が邦訳されている。



FC2ブログのスペイン語英語+雑学 (補充・再確認版)もどうぞ宜しく。