2014年8月11日月曜日

八月の光 Luz de agosto フォークナーの名作 Light in August


狂信的な白人優越論者のユーフューズ・ハインズの娘ミリーが、旅廻りのサーカスの男と駈落ちすると、その男が黒人だと聞いたハインズは(ミリーー自身はメキシコ人だと言っていました)怒って二人の後を馬で追い駈け、男を射殺してしまいました。やがてミリーは、父の怒りのため産婆も呼べずに、男の子を産み落して死に、ハインズはその子を、クリスマスの夜、白人の孤児院に捨てたので、その孤児はジョー・クリスマスーと名付けられることになりました.
 ジョーの外見は全く白人の子なのですが、混血の噂は秘かに院内に広まっていきました。5才の時、インターン生との情事をジョーに見られた栄養士が告げ口封じの先手をとり、彼の混血を院長に訴えたので、ジョーは白人孤児院から出され、篤志家の養い親の手lに渡されることになりました。養父マキーチャンは頑固一徹な清教徒で、ジョーが教義問答を覚えられないと、失神するまで鞭で打ちました。ジョーはそれに堪え切りましたが、宗教に対する憎悪が彼の心に深く根付いていきました。養母は彼を庇おうとしましたが、彼は冷くそれを拒みました。
 17才になり、町の食堂の女に純情な恋をしますが、女が淫売だと知ってから、彼の生き方は荒れ始めました。そして或る夜、家を抜け出して女と踊っている所へ怒鳴り込んで来た養父を椅子で殴り倒し、女と逃げようとすると、女の態度は突然一変し、白人並みに扱って来てやったのに」と罵られて、居合わせた男達に袋叩きにされてしまいました。
 それから15年間の放浪生活が続きました。時には白人として通し、時には黒人女と同棲したりしながら、黒か白か、ジョーには「自分が何者か分らなかった」のです。
 やがて33才になったジョーが、小説の現在の舞台となるジェファソンの町に現れ、製板工場に職を得ると、ジョアナ・パーデンという独り暮しの老嬢の邸内の黒人小屋に住みつきました。パーデン家は北部からこの町に移住して来た「他所者」ですが、彼女の父や兄は南部の黒人の擁護運動をしたために殺されたのであり、彼女はその志を継いで黒人擁護の仕事に打込んでいたのです。
 間も無く、母屋と小屋に分れて住む二人の問には、夜だけの関係が出来ました。しかしジョーは、次第にその不自然さに苛立つて来て、彼女の偽善性を手荒く曝き立て、彼女を避け始めました。すると、ミス・パーデンの愛欲は、身を焼き尽した果てに蹟罪の執念に転化し、ジョーにピストルを突き付けて、神に許しを乞えと迫りました。彼は肯じません。彼女は引金を引きますが、幸か不幸か、弾は不発でした。ジョーは、手にしていた剃万で夢中で彼女を殺し、邸に火を放って逃げ出しました。
 丁度その日、小説を織りなす、もうひとつの物語の主人公であるリーナ・グローブが、この町に現れれます。(小説はここから始っているのです。)彼女はアラバマ州の郷里で、渡り者のルーカス・バーチという男に誘惑されて、その種を宿し、今臨月の身で腹の子の父親を探しに遥々とこの町までやって来たのでした。彼女は、バイロン・バンチという、製板工場で働き聖歌隊のリーダーをやっている男を、バーチではないかと訪ねると、バイロンはその男の特徴を聞き、それはジョー・ブラウンのことではないかと言います。ブラウンというのは、元クリスマスと一緒に工場で働き、今は同じバーデン邸の小屋に住んで酒の密売をやっている享楽的な男でした。
 好人物のバイロンはリーナに同情し、その夜は彼女を自分の下宿のおかみの部屋に泊めてやり、翌日曜日と更に火曜日に重ねてハイタワーという、南北戦争の思い出の夢に取り怒かれている変人の牧師(今は教会を追い出されて隠棲しています)のもとを訪ね、リーナのことを相談しました。ハイタワーは、バイロンがリーナを愛し始めているのを見てとり、不倫を避けるため、彼女から離れて町を去れと、彼に忠告します。しかし、バイロンはそれに忍びず、水曜日にはリーナをバーデン邸の庭の小屋に移し、自分はその傍にテントを張って住み、ブラウンを待ちます。
 そのブラウンはバーデン邸の火事の現場に居たのを目撃され、一旦は逃げたのに、1000ドルの賞金欲しさにわざわざ警察に出頭し、犯人はクリスマスであり、彼は実は黒人なのだと訴え出たため留置されてしまっていたのでした。クリスマスの逃亡と警官の追跡は6日間続き、金曜日にモッツタウンでやっと捕えられた翌日、群集がリンチを叫んで集って来ましたが、当局は身柄をジェファソンに護送します。町にはグリムという過激な愛国主義者の州軍大尉がいて警備に当っていました。
 日曜日にはクリスマスの祖父母ハインズ夫婦が町に到着し、バイロンと共にハイタワーを訪れ、クリスマスのアリバイの偽証を頼みますが、拒絶されてしまいます。
 翌月曜日の夜明け、リーナはハイタワーの手で無事に出産します。バイロンは自分の恋を思い切り、ブラウンをリーナ母子に会わせてやってくれと保安官に頼みました。そのため、ブラウンは釈放され、やっとリーナと対面することになりましたが、しどろもどろな言い訳をしながら逃げ出してしまいます。だがリーナは、一度大きく溜息をついただけで「さあ、あたしはまた起きなけりゃならないわ」と言うだけでした。彼女は「全てを受け入れて」しまう女のようです。
 その午後、クリスマスは警察を脱走し、ハイタワーの許に走りました。そこに何かの救いを求めていたのかもしれません。しかし、忽ち後を追って乱入して来たグリムは、台所に隠れたクリスマスに銃弾を浴びせ、更に、虫の息の彼を、ナイフで去勢して宣告します-「さあ、これで地獄に行っても、白人の女には手を出せまいて。」
 バイロンは赤ん坊を抱いたリーナを連れて、ブラウ ンを探す旅に出ました。彼女の本心は既にブラウンを諦めているのに、生真面目なバイロンはひとりでむきになっています。この二人の旅の姿が明るくユーモラスに語られ、それが、20章に亘る迷妄と憎悪と死の暗い物語から読者を救うために、作者の与えた明るい生の祝福のエピローグとなって、小説は終わりを迎えます。



En Luz de agosto aparecen retratados algunos de los personajes más memorables de Faulkner: la cándida e intrépida Lena Grove en busca del padre de su hijo; el reverendo Gal Hightower -atormentado por constante visiones de soldados de caballería confederados- y Joe Christmas, un misterioso vagabundo consumido por los orígenes raciales de sus antepasados.

Faulkner, además de haber sido el innovador de una forma de narrar que ha influido poderosamente en las generaciones que le han continuado, fue el cronista de los más notables hechos, costumbres y personajes de su tierra.

Luz de agosto es una de las obras más representativas de un hombre que, trabajando sobre la historia y haciendo campear la imaginación, logró convertirse en uno de los escritores más importantes de este siglo.