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18世紀ポルトガル、21世紀日本 時代をこえた愛と復讐の記憶たち
18世紀リスボン大震災後のポルトガル。復興事業のためにインドからつれてこられた日本人召使の宗次(柄本佑)と四郎(中野裕太)。屋敷で働く雑役女中、 マリアナ(アナ・モレイラ)と通わす宗次だったが、理不尽な雇い主にたてついたことで銃殺されてしまう。21世紀東京オリンピック後の日本。工場縮小に伴 い、リストラされ夢破れた日系ブラジル人の幸四郎(中野)は、ポルトガル人の妻マリナ(モレイラ)を残し自死を選ぶ。リストラ宣告をくだしたのは加勢柊次 (柄本)だった。どちらの時代もあらがえぬ運命よって引き裂かれ、その挙げ句に恋人を殺害された女。その恨みを晴らすために選んだ手段は、思いもよらぬも のだった…。3人の立場は微妙に入れ替わりながらも、ほとんど同じプロットが反復され、デジャブのように交差し、愛憎の不条理に引き裂かれた人間の業をあ ぶり出す。
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そもそも、私がフランス語を学ぼうという心掛けを起しましたのは、ああ、モーパッサン先生よ。先生の文章を英語によらずして、原文のままに味わいたいと思ったからです。 一字一句でも、先生が手ずからお書きになった文字を、わが舌自らで、発音したいと思 ったからです。
米国へ向って、日本を出ました頃には、やっとフランス文法の一通りを終えたばかりでしたから、私は、彼の地へ上陸しましても、英語なぞは顧みず、すぐフランス語の教師を取りました。私の知人は、何れも、「アメリカへ来てフランス語を稽古するとは、 よほどどうかしている。英語を知っていれば、日本へ帰っても、すぐ売れ口があるけれ ど、フランス語は使い道が少ない。」と注意してくれました。世の中の人は誠に親切なものです。
私は上陸後二年ほどたっても、アメリカ人の会話を聞き取る事が出来ませんでしたが、 その代り先生のお書きになったものの中で、ごく読み易いものは、字書によって、どうかこうか分るようになりました。
私は、合衆国を通じて、大学に於ける仏語教授の模様、フランス移住民の生活から、すべてアメリカに於けるフランスという事については、普通の日本人よりも、一層委しく知っているつもりです。
先生は篇中人物の対話にばかりではなく、地の文章にも、写すべき周囲の光景を活かそうために、能く俗語をお使いなさる、それを解釈しようというには、是非フランス人の生活に接近しなければならない。で、私は二年間あまり紐育の銀行に雇われております時分は、フランス人と同居し、フランスのパンと葡萄酒で食事する事を、何よりの楽みと致しました。同じ銀行で働いているアメリカ人は、私はまるで英語を知らない人だと思っていたそうです。
Grana y oro - Miguel Ángel Perera
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