2016年10月15日土曜日

「スペインの鳥」というチェコ料理 španělský ptáček (‘pájaro español’)

El rinderroulade o rindsroulade (en alemán ‘roulade de ternera’) es un tradicional plato de domingo de Alemania y Austria. El plato se prepara casi igual en todas partes. Suele acompañarse con col lombarda y, según la región, patatas saladas, puré de patatas o klöße.
Los rinderrouladen se hacen con filetes grandes de pierna de ternera, principalmente tapa (oberschale) o babilla (kugel), condimentados con sal, pimienta y mostaza. Se rellenan con panceta, cebolla y pepinillo, y a veces con carne picada, se enrollan y se atan o sujetan con mondadientes, de forma que queden cerrados mientras se brasean levemente y se fríen.
Son variantes posibles del rinderroulade las que emplean rellenos diferentes, sustituyendo la panceta y el pepinillo por arroz y verduras o, en Austria, zanahoria. La mostaza y la cebolla aparecen en la mayoría de las recetas, así como la crema agria y el pepino tras la fritura. Así se obtiene la típica salsa picante de rouladen.
Los trozos pequeños de rinderrouladen se llaman en los Alpes (Austria, Baviera y Suiza) fleischvogel (‘pájaro de carne’) o vogerl (‘pajarito’).

Los Checos y Eslovacos los llaman španělský ptáček (‘pájaro español’), aparentemente porque el plato lo han traído los cocineros de María de Austria y Portugal.

かの有名なロシア語通訳・故 米原万理についての書『姉・米原万理』(伊藤ユリ著)に以下のように記されています。(斜体部は Ernesto Mr. T による補足。太字は同強調。)

(父も母も仕事が忙しくなったので)週に二回、家政婦さんに来てもらうことになった。他の日本人家庭に手伝いに行っていた人なので、わたしたちもすでに顔なじみだった。このパーニ・トゥルコフスカ(パーニは夫人の意)がすばらしい料理名人だった。パーニの作るクネードリキやシュパネルスキー・プターチェクを、 万里もわたしもその後何度夢に見たことか。
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シュパネルスキー・プターチェクについて、万里は次のように書いた。

わたしが大好きで今も時々作る料理にシュパネルスキー・プターチェク(スペ インの小鳥)というのがある。何もスペイン的なところはなく、牛肉料理なのに、なぜそんな名前が付いたのか、誰に聞いても満足のいく答えは得られなかった。牛のヒレ肉を軽く叩いて延ばし、片面に芥子を塗り、ボンレスハムあるいはベー コンを敷き詰め、そこにゆで卵四分の一、塩漬け胡瓜、軽く火を通した玉葱四分の一を置いて肉とベーコンでくるみ、楊枝で押さえる。豚の脂身と一緒に熱した鍋に入れ、焦げ目をつける。鍋にコンソメスープを加え、蓋をして肉に火が通るまで煮る。「小鳥」は鍋から取り出し、肉汁を含んだスープにバター妙めした小麦粉を加えてソースを作る。「小鳥」にクネードリキを添えたものにソースをかけてできあがり。ついこのあいだ、イベリア航空の飛行機に搭乗したら、これと 全く同じ料理が出てきて、あわててメニューを読み返したら、単に「牛肉の包み煮」としか記していなかった。スチュワーデスに尋ねると、スペインの家庭料理 だという。子どものときの謎が解けて何だかとても嬉しかった

(「夕食は敵にやれ!」『旅行者の朝食』)

万里のこの記述を読んでから、ずいぶん調べ、さがしたが、スペインでもこの料理 が作られているという確証はまだみつからない。ドイツ、オーストリアでは、チェコ同様、よく食べられている家庭料理なのだが。

イタリア(著者 井上ユリはイタリア料理の専門家)には、肉や魚に詰物をのせて巻く、インヴォルティーニとよぶ料理がある。南部に多く見られるのだが、東方から伝わった料理法だ。イスラムの影響下に長い間あったスペインだから、イタリアと同様、肉に何かをのせて巻く料理が作られるようになり、それがチェコやドイツに伝わった可能性は否定できない。でも、牛肉料理なのになぜ小鳥とよぶのか。疑問はつきない。

Ernesto Mr. T も この「スペインの鳥」という牛肉料理が食べたくなってきました。闘牛の肉でも可能なのでしょうか?




  


p.d. 昨日の¿華金?は、下掲の foto のように、またもや 金山の Bar España で、中国語の天才 El Sano と待ち合わせ、El Sano は Tío Pepe (シェリー酒) を、Ernesto Mr. T (Tendido 7 の青い toros のワイシャツ) は Cruzcampo (cerveza andaluza) の杯を傾けつつ 美味しい tapas をあれこれと嗜みながら、そして camarero español の Simón と スペイン語で楽しい charla を交えながら、気儘な素晴しい一時を過ごしました。


碩学 El Sano との主な話題は 昨日の Bob Dylan の ノーベル文学賞受賞でありました。

ところで、肝心の上記の「スペインの鳥」牛肉料理については 帰宅後の深夜の読書により稿を起こしたものでして、昨日は Simón や店長の楓さんなどにもまだ尋ねてみていません。