2018年3月28日水曜日

小説の未来 ¿南米文学は終わった? El porvenir de la novela. ¿Los novelistas latinoamericanos se acabaron?

中村真一郎が 1991年の3月25日〜28日(27年前の今日)まで行なった講義を元にした「小説とは本当は何か」(1992)の中で次のように述べています。

 いまは世界的にみて、そういう小説の未来像ってものは失われてると思います。その最後の、つまり失われる直前の最後の小説の姿は、1950年代から50年代にかけての南米諸国の作家たちがスペイン語で書いた小説、マルケスやプイグやカルペンチエールやリョサや何人かのそれはひじょうに才能のある作家たちがいろいろな種類の小説を書いています。
 これは全部前衛的な小説で、それが今のところ一番新しい小説の可能性を含んでいます ね。しかし、僕はあそこに小説の未来が全部あるとは思わない。
 とくにぼくは日本人ですし、日本の文学伝統ってのは、ひじょうに重い、僕にとっては重いんです。日本の作家は、日本の文学伝統を、明治維新の時に伝統をいっぺん捨てたつもりになってるけど、それはこっちの窓から放り出すとあっちの裏口から入ってくるようなものなんで、伝統ってものは、いままさに台所から入ってこられて、みんなあっぷあっぷしてるわけです。
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 それ(ヌーボー・ロマン)に比べれば南米の作家たちの方がずっと重みがありますが、しかし南米の作家たち も、もう生産的な時期が過ぎて、衰退期に入っちゃって、もうぜんぜんだめになっているわけです。だいたいある文学流派ってものは、十年か二十年 ものすごく活発に活動すると、すっと衰退するんで、これはひじょうに不思議なもんで、南米文学ももう終わっちゃったんで、世界中みてると、いまろくなもんはないという状態なんですね。
 ですから僕は、いまもしこれから小説を書こうとするなら、世界中どこにもろくな小説 家がいないんで、やるんなら今だという気がします。だからいまあなたがたで、もし小説 を大真面目に考えて、今までの作家のやり方を全部研究して、それを全部含めたようなこ とで、まったく新しいヴィジョンで小説を書けば、完全に世界の文壇を征服できるすごい いいチャンスなんですけどね。だから誰か野心的な人がそういうふうにやって、われわれ を打倒してくれることを、七十歳の僕としてはおおいに望んでいます。
 僕の話はそれでおしまいです。どうかあなたがたの中から天才がでることを希望してお ります。

中村真一郎が 上記のように述べ既に27年が経ち、21世紀も既に18年ですが、20世紀までの小説以上のものが現われているのでしょうか?

¿La literatura latinoamericana se acabó?


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中村真一郎の「小説とは本当は何か」の中に何故か セルバンテスの ドン・キホーテ は出て来ません。

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