明日4月24日刊
『文壇出世物語』 新秋出版社文芸部編
人気作家から忘れ去られた作家まで、紹介される文壇人は100人。若き日の彼らはいかにして有名人となったのか?大正期に匿名で発表された謎の名著(新秋出版社、1924)が、21世紀の文豪ブームに一石を投じるべく大復活です。読んで愉しい100年前の文壇ゴシップ大事典。(幻戯書房)
あの人気作家から忘れ去られた作家まで、紹介される文壇人は100人。若き日の彼らはいかにして有名人となったのか?大正期に匿名で発表された謎の名著が、21世紀の文豪ブームに一石を投じるべく大復活。
読んで愉しい100年前の文壇ゴシップ大事典。
(解説・志村有弘)
※現在、古書市場でも希少な新秋出版社1924年刊の元版に、用語解説・索引を新たに増補。明治大正文学愛読者必携のガイドブックです。
【目次より】
青春時代の坪内逍遥
心理描写の元祖広津柳浪
処女作を書いたことのある内田魯庵
民友社と蘇峰蘆花の徳富兄弟
若き左團次を育てた松居松葉
往年の美少年馬場孤蝶
『蒲団』までの田山花袋
三十年昔の徳田秋声
明治文芸革新の烽火『破戒』の作者島崎藤村
芸術家泉鏡花
新詩社時代の鉄幹と肩書の多い晶子
紙幣を焼いて、今は老詩人河井酔茗
苦労知らずに乗り出した上司小剣
放浪の詩人、ヨネ・ノグチこと野口米次郎
シンボリズムと蒲原有明
やっと妻をもらった近松秋江
けるかも島木赤彦
イプセン会の中村吉蔵
歌をなめる窪田空穂
フロベールをなつかしがる正宗白鳥
おとなしい吉江孤雁
三田派の家元永井荷風
いつまでも二十八歳の田中貢太郎
容貌愚なるがごとき高須芳次郎
キャプリシアスな才人小山内薫
『赤い鳥』の先生鈴木三重吉
プロレタリア文学の先駆者、小川未明
一種異様な文名ある生方敏郎
情死した武郎の弟里見弴と有島生馬
親を怨む民衆詩人野口雨情
川上貞奴に片恋した秋田雨雀
書くために生れた志賀直哉
帰去来の今様良寛和尚相馬御風
医者になりそぐれた歌人前田夕暮
芸術に恋した中村星湖
俳壇の選者となるまでの荻原井泉水
運、運、運ばかりの出世片上伸
なるほど貧乏であった宮地嘉六
「空に真赤な」小唄の北原白秋
今に見ろと言った武者小路実篤
父に背いた兄弟長田秀雄と幹彦
家人の夫妻若山牧水と喜志子
女房天下から解放させられた相馬泰三
ちろり節の名手加能作次郎
臼川を夫君に持つ野上弥生子
大人びて、分別くさかった水守亀之助
神童の面影のある谷崎潤一郎
転々三十年の宮島資夫
芸姑の名刺で入浴した吉井勇
《新潮》の中村武羅夫
だが、人としてはよく出来た本間久雄
涙腺がゆるんでいるが愛の吉田絃二郎
酒壺仙人の葛西善蔵
労働運動から自由連盟への加藤一夫
おとろえたりと雖も好漢江口渙
会社員の水上瀧太郎
匿名の健筆家だった加藤武雄
オブローモフと縁のある川路柳虹
何が処女作かわからぬと云う長与善郎
大工の子前田河広一郎
江戸下町の詩人久保田万太郎
日蓮宗の藤井真澄
二十一歳の処女詩集三木露風
女を描けば必ず姦淫を思わす室生犀星
旅役者だった福士幸次郎
文壇意識を味到した菊池寛
原稿の盗難を恐れた江馬修
書かないでも流行作家の田中純
洋行帰りの岡田三郎
コムレードの青野季吉
歩一歩と築き上げた新井紀一
月給二十円の昔の白鳥省吾
よき妻でありよき母である鷹野つぎ
秋の好きな豊島与志雄
紳士、教授、文士、谷崎精二
捨児か貰い子か細田源吉
モンスター宇野浩二
『不肖の子』の作者久米正雄
一目千両文壇二枚目は広津和郎
女学生と西條八十
新思潮から出た芥川龍之介
詩に見た恋の生田春月と花世
その一晩を記念とする佐藤春夫
三度処女作を発表した藤森成吉
騎兵上等兵の細田民樹
トラピストに感動した南部修太郎
前科三犯の中西伊之助
昔の辰公、今の内藤辰雄
人夫と作者になった大泉黒石
デカダン・ブルジョアの汚名を雪ぐ金子洋文
フランス仕込みのプロレタリア小牧近江
不良少年の中戸川吉二
新婚婦人の宇野千代
裁縫の出来なかった中條(宮本)百合子
【原著刊行時の本書案内文】
芸術家には殊に心の尊貴がある。誰でもなり得るという訳には行かない。その人の本質と、平常の努力精神にある。今や日本の文壇は欧州のそれに充分比肩出来る。それも現文壇に活躍する人々の賜である。是等文壇の人々は如何にして今日立派な芸術家となり得たか。そこに皆人知れぬ苦しみを味わっている。その人々の出世物語を蒐めたものが本書である。中には真に成功物語として後世に伝うべき程の人もある。従って一面一般人の修養書とも称し得る。世の多くの一読を乞う。
¿Cómo se podía hacer famoso en el mundo literario japonés?
文壇幻戯書房
Обломов,Oblomov オブローモフの作者ゴンチャロフ Гончаров, Goncharov |