2012年7月15日日曜日

変な本 Las Andaduras del Che「チェのさすらい」?

先日、変な本を読みました。ラモン・チャオ Ramón Chao の『チェのさすらい』LAS ANDADURAS DEL CHE (訳 エビハラヒロコ) です。

私の España での 通り名が Ernesto ですので、Valladolid の Colegio Mayor San Juan Evangelista の Goyo などに Ernesto Che Guevara などと 呼ばれたこともあって、チェ・ゲバラ にも少しは関心を持つようになりました。John Lennon などによって余りにも 理想像化されてしまっていますが、良いところも悪いところもある1人の普通の人間としての Che には関心があります。
それに、常々申し上げていますように 世界最高の文学作品が Don Quijote であります。人間の素晴らしさ、愚かさを これほど見事に描いた作品が他にあるでしょうか。
その2つ(¿2人?)を強引に結び付けて描いた作品が 上記『チェのさすらい』LAS ANDADURAS DEL CHE です。それだけでも一読に値する作品です。文学的価値や読み直す価値があるかどうかは、各個人が判断してください。
読み始めてまもなく、がっかりします。(18ではなく)018(となっている)ページに「フランスの作家レイモン・クノー...」とあるからです。作者の Ramón Chao は現在フランス在住だということですが、訳者の方は フランス語の初歩も分かっていないのかフランス文学に余り関心がないのか...。Raymond Queneau レモン・クノーは今頃墓場の中で嚏をしているかもしれませんね。(先程 018ページ と申しましたが、プロローグやイラストなどを除いて数えた場合、本文の僅か3ページ目に当たります。)
それ以降は、この本を真剣に読む気がなくなりましたが、それでも何とか最後までざっと目を通しました。特別な感想はありませんが、上記のような初歩的な欠点や andaduras を「さすらい」と訳すような不可解さはあるものの一読に値する作品だと言って良いでしょう。

平行して木村栄一氏の『翻訳に遊ぶ』という本を読んでいたせいか、この本は浅い謎に満ちているように思えました。

別件ですが、作者 Ramón Chao 御自慢の tatuajes 入れ墨 の価値もよく分かりません。

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