2012年10月8日月曜日

白い象 Elefante blanco 無用の長物

Ernesto Mr. T の住む 常滑はもとより、愛知県の首都、名古屋も素通りして上映されている スペイン語の映画の 紹介です。一見の価値有りです。Elefante blanco という題名のアルゼンチン映画です。


アルゼンチンの首都ブエノスアイレスにあるスラム街の物語です。南米最大規模の病院を構想して着工したものの、1930年代に工事が中断したままになっている「白い象」(Elefante Blanco)と呼ばれる建物及びその周辺に暮らす人々を、Julián フリアン、Nicolás ニコラスという二人の神父と、ソーシャルワーカーの Lucianaルを軸に物語は進んでいきます。



アマゾンでの布教活動に失敗し、近しい信者を皆殺しにされ心身共に傷を負っているベルギー人神父 Nicolásは Villa (スラム地区)で活動している旧知の神父 Julián に 誘われ、Villa で一緒に活動を始めます。Julián は脳に不治の病いが見つかり、ずっと手掛けてきた Villa の再興を託せる後継者を求めていたところでした。

麻薬が蔓延り、縄張り争いで日常的に銃撃事件が起こる Villa では 生活改善のため、住居の開発計画が推進されてはいますが、工事の賃金の不払いなど問題山積でした。住民たちの不満については、Luciana が行政との橋渡しをし、Juliánが教会を通じ建設会社との交渉をしています。
2人の神父は、警察との衝突や住民同士の啀み合いに対処しながら、Villa 再興に力を注いできたのですが、住民のためなら何でもしたいと望む Nicolásと、公的な立場を弁えて支援すべきという意見の Julián はぶつかり合ってしまいます。
Julián には Villa 再興だけでなく、Villa に貢献し、1974年に暗殺された Carlos Mújica カルロス・ムヒカ の列聖手続きの仕事もあったのです。Julián は 自らの最期を意識して焦っているのです。 Nicolás は自らの立ち位置を決められず、心の支えに なってくれる Luciana に、聖職者という立場を忘れて、惹かれていきますが...。



その間にも、社会への怒りを爆発させた住民はますます手の付けられない暴徒と化しいくのでした。Villa の現実を 鋭い切り口で描いた見事な映画です。

なお、題名の elefante blanco には *"Ser costoso de mantener y no producir utilidad alguna"「維持費ばかりかかって全く役に立たないもの」つまり「無用の長物」という意味があります。

*Real academia española 22 


Narra la historia de amistad de dos curas, Julián y Nicolás, que tras sobrevivir a un intento de asesinato por parte del ejército durante su trabajo en Centroamérica, se asientan en una barriada de Buenos Aires para desarrollar su apostolado y labor social. Allí conocen a Luciana, con quien lucharán codo con codo contra la corrupción, un mal endémico de la zona. Su trabajo les enfrentará a la jerarquía eclesiástica y a los poderes gubernamentales y policiales, arriesgando sus vidas por defender su compromiso y lealtad hacia los vecinos del barrio.

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