2012年10月16日火曜日

現代の英雄 Un héroe de nuestro tiempo

198年前の今日、1814年10月15日に ロシアの大詩人・小説家 ミハイル・レールモントフが誕生しました。1841年の7月に亡くなりましたから、僅か 26年の人生でした。Ernesto Mr T. の半分も生きなかったのです。
その短い人生の中に 素晴らしい詩を幾つも残していますが、Ernesto Mr. T が 若き日に 最も感動したのは 小説『現代の英雄』です。
この様な偉大な芸術作品を紹介・説明するのは非常に難しいことですが、敢えて少し触れることにします。


『現代の英雄』は、作者の自伝的色彩の濃厚な作品と言われています。美しいコーカサスの自然を背景に登場人物の姿があざやかに浮きぼりされています。主人公ペチョリーンは才能ある富裕
な貴族です。「すこぶる好男子」ですが、「悪魔的性格」をもった青年です。作者は彼を「精神の不具者」、「われわれの世代の諸欠点の肖像」と呼んでいます。つまり,ペチョリーンは『知恵の悲しみ』のチャーツキイや,『エブゲーニイ・オネーギン』の主人公の系統に繋がる「余計者」の1人です。彼は自分の魂の中に無限の力を感じていますが,それをいかに用いるべきかを知りません。ペチョリーンの悲劇は閉塞した時代の悲劇であり,ある程度作者のそれでもあったと言われています。作品でほ,ペチョリーンはあらゆる人間的感情の枯渇した人物としてロシアを去り,だれにも知られずに死んでいきます。作者自身はこの作品の発表後1年
ばかり後にピャチゴールスクでの決闘で無くなりました。

この作品ほ五つの独立した章からなっています。
「ベーラ」老二等大尉マクシームィチの物語る話です。彼の指揮するコーカサスの野戦部隊へ都育ちの若い士官ペチョーリンが赴任してきます。あるとき彼は土着の豪族の娘ベーラを見て心を魅かれ、強引に彼女を手に入れます。初めのうちベーラは彼を拒みますが、ようやく彼女が愛情を持つようになると、ペチョーリンは彼女に飽きてしまいます。ベーラは剽悍な土民の青年に浚われ、哀れな最期を遂げます。
「マクシム・マクシームィチ」二等大尉マクシームィチは公用出張の途中何年か振りでペチョーリンと邂逅しますが、懐かしさに胸を躍らせる曾ての戦友に向かってペチョーリンは冷たい態度を示します。ペチョーリンほロシアを捨て、ペルシャへ去っていくところでした。以下はヤクシームィチが預かっていたペチョーリンの手記です。
「タマーニ」黒海沿岸の町クマーニを訪れたペチョーリンは偶然、密輸業者の家に宿をとり、妖精のように美しい野生的な娘のためにあやうく殺されそうになります。
「公爵令嬢メリイ」ペチョーリンはコーカサスの温泉地ビャチゴールスクへ保養に出かけ、ここで俗物の旧友グルシニーツキイに出会います。この男はちェうどモスクワから来ていた公爵令嬢メリイに恋をしていました。ペチョーリンはメリイに対して一見冷淡な態度を装いながら彼女の心を征服してしまいます。怒ったグルシニーツキイは卑劣なトリックを用いてグルシニーツキイに決闘を挑みますが、ペチョーリンはその裏をかいて相手を倒してしまいます。



「運命論者」将校たちの集りでペチョーリンほブーリッチという男がその日のうちに死ぬと予言します。ブーリッチはやにわに他人のピストルを自分の額に当てて引金を引きますが、不発でした。ところがその夜彼は酔っぱらいに斬り殺されてしまうのです。ペチョーリンは銃をもったその酔っぱらいを捕らえますが、かすり傷ひとつ負いませんでした。

最初に「198年前の今日、1814年10月15日...」と書いていたのに、時間が経ち、日付が変わり、もう「198年前の昨日、1814年10月15日」ということになってしまいました。El tiempo vuela.

ロシア語の原文は以下で読むことができます。


また 我が愛するスペイン語での説明は以下に在ります。


レールモントフについてはこれからも何度か御話しする機会があると思います。

ご意見、ご質問等ございましたら、<ernestotaju@yahoo.co.jp>  へ。


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