2013年4月8日月曜日

小川国夫 歿 (2008年) Ogawa Kunio murió「大きな恵み」闘牛


作家・小川 国夫が 5年前の今日、2008年4月8日に肺炎のため亡くなりました。(1927年[昭和2年]12月21日 - 2008年[平成20年]4月8日

まず、3年前に こんな映画作られていたことを Ernesto Mr. T は 今日初めて知りましたので、その予告編 video を載せておきます。


Ogawa Kunio (小川 国夫, December 21, 1927 – April 8, 2008) was a Japanese novelist born in Shizuoka 静岡 Prefecture.

He was a graduate of the Japanese literature department at Tokyo University. In 1957, Ogawa wrote a book titled Aporon no shima アポロの島 (Isles of Apollo) after taking a trip to the Mediterranean. It was praised by the novelist Shimao Toshio 島尾敏夫, launching Ogawa's career as a writer. His style is insightful to nature and mankind, and it is noted to be clear yet dense.

He died on April 8, 2008 aged 80 in Shizuoka Prefecture.




小川 国夫は1953年10月フランスへ渡りパリのソルボンヌ大学に3年間私費留学しました。1954年7月にグルノーブル大学へ移籍後、その年の9月から10月に掛けてスペイン、北アフリカへ、友人より購入した単車べスパ250ccで旅行しました。

その間、闘牛にも関心を持ち、観戦しています。スペインではバレンシア Valencia とマドリード Madrid で観戦していますが、それ以前に フランスの アルル(スペイン語風に云うと アルレ Arles)でも既に観戦していたのです。

更に、それから20数年後、(今は時代劇ものでとても有名な)佐伯泰英(当時は作家というよりは写真家)と共に、1978年には『角よ故国へ沈め』という本を平凡社から出しています。

以下はその『角よ故国へ沈め』の中にも収められた「大きな恵み」(1957年)の一部です。

「赤いマントがめくれ上るたびに、牛の涎をかぶった灰色の鼻と、燃えるような一途な目と、最後に太い角が出て来る。角が牛を宗教的な動物にしている。
 両足を揃えたマタドールは、右手で剣を口の高さに構える。牛が突っ掛ける。マントは低く地面に垂れたまま、右足と揃えて引かれる。頭を下げて追いすがる牛。マタドールは小さく踏み出した左足に体重を全部かける。剣はつかを残して、牛の体の中に入る。
 牛は立っている。彼は、始めて、今まで受けて来た全ての苦痛を感じて、しばらく立っている。そしてグラグラ揺れ始める。世界が彼の中で完全に失くなった時、彼は、その時揺れていた側へ倒れる。腹を出して、動かない彼のわきに、マタドールは両手を挙げて、観衆の歓呼に応えている。」

 何と見事な文章でしょう。付け加えることは何もありません。

 最後は、若き日の小川国夫の foto です。



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