レコンキスタ華やかなりし頃、スペイン東部のテルエルで悲恋の物語が生まれました。16世紀に同じ町の教会で男女二人のミイラが発見されました。二つが結びついてスペインでは誰もが知る伝説となり、19世紀になってこの悲恋の伝説を下敷きにして、スペイン・ロマン主義演劇の代表作というべきこの戯曲は生まれました。
En Teruel suenan campanas de boda mientra llega a la villa Diego de Marcilla que regresa rico y famoso tras tomar parte en múltiples batallas en España. Diego está enamorado desde niño de Isabel de Segura. Pero ella es de una familia importante, y él es hijo segundo de otra más modesta. Sin embargo, el padre de Isabel accede a darle cinco años de tiempo para enriquecerse, tras los cuales podrá desposar a Isabel. Al llegar descubre que Isabel de Segura acaba de casarse. Le pide un beso pero ella se niega porque ahora pertenece a otro hombre. Diego no resiste la negativa y muere en el acto. Al día siguiente, en los funerales, aparece Isabel de Segura. Se acerca a su amado para darle el beso que le negó en vida, y tras ello muere. La tradición asegura que murieron de amor, por eso fueron enterrados juntos, y juntos han permanecido hasta hoy.
フアン=エウヘニオ・ハルツェンブッシュ
スペイン・ロマン主義演劇の中心的存在です。劇作だけでなく、詩にも散文にも筆を染めました。ドイツ系移民の二世としてマドリードに生まれましたが、二歳の時に母親を失い、ナポレオンの侵略でマドリードを離れたり、父親の政治活動が原因で財産没収の憂き目にあったりして、極貧の幼少期を過ごしました。父親の工房で家具職人として働き出しましたが、サン・イシードロ学院で学んだ外国語の能力を活かして、外国文学の翻訳や翻案をして糊口をしのぎました。速記者として国会の議事録作成に従事したり、文芸雑誌とも関係ができたお陰で、作品を発表する機会を得ていきました。最初の戯曲は失敗に終わりましたが、1837年の年頭に初演された『テルエルの恋人たち』が大成功を収めました。以後も戯曲を発表し続けましたが、国立図書館で司書の職を得て、スペイン古典文学の研究にのめり込んでいきました。スペイン古典劇の三大劇作家の作品集を企画・校閲、セルバンテスの『ドン・キホーテ』を四巻本で記念出版などを手がけるなどしました。1847年にスペイン王立言語アカデミアの会員に推挙され、55年には師範学校の校長、62年には国立図書館館長となって、19世紀後半の知識人を代表するまでになりました。館長職を定年まで勤めあげた後、病魔におかされて1880年に74才で生涯を閉じました。代表作『テルエルの恋人たち』の他にも、『ドニャ・メンシーアあるいは異端審問所での結婚式』(1838)、『サンタ・ガデアの誓い』(1845)『、純潔王アルフォンソ』(1841)等の歴史劇に秀で、『魔法の小瓶』(1839)、『セレスティーナ母さんの粉薬』(1841)といった視覚的な舞台効果を多用する魔法劇にも独自の才能を開花させました。
Ernesto Mr. T が Teruel を訪れたのはもう随分昔のことです。当時は、テルエルの恋人よりもマルローの「希望」の方に興味がありましたが。
テルエルの恋人たち (ロス・クラシコス)