Bartolomé de las Casas (1484年8月24日 - 1566年7月17日) は15世紀スペイン出身のカトリック司祭、後にドミニコ会員、メキシコ・チアパス司教区の司教です。当時スペインが国家をあげて植民・征服事業をすすめていた「新大陸」(中南米)における数々の不正行為と先住民(インディオ)に対する残虐行為を告発、同地におけるスペイン支配の不当性を訴えつづけました。主著に『インディアス史』、『インディアス文明誌』などがあり、『インディアスの破壊についての簡潔な報告』でも有名です。生前から激しい批判を受け、死後も相反する評価を受け続けました。「インディオの保護者(Protectoría de indios)」などとも呼ばれています。
ラス・カサスの死後、スペインのかつての勢いに陰りが見え始め、ラス・カサスの著作は各国で盛んに翻訳され出版されました。それらはラス・カサスのまったく意図しなかった用途、すなわち諸国によるスペイン批判の道具として利用されたのでした。スペインのインディアスにおける残虐性からスペイン全体の非人間性を攻撃する一連の批判はやがて「黒い伝説」と呼ばれるようになり、スペイン国内でラス・カサスは国の誇りを失墜させた男、祖国への裏切り者とみなされるようになりました。
さらに19世紀に入り、中南米諸国で独立運動が盛んになると、ラス・カサスは「インディオの保護者」、中南米解放運動の先駆者として独立運動の思想的なルーツとみなされるようになりました。しかし、独立後の混乱の中で、逆にスペインによる中南米への文化導入が再評価されるようになる(「白い伝説」とよばれる)とラス・カサスは再び批判されます。20世紀後半においては中南米から盛んになった思想の新潮流、解放の神学においてラス・カサスは再び思想的先駆者、解放者として高く評価されることになったのです。
ラス・カサスは常に、評価されると同時に批判されるという複雑な立場におかれてきましたが、ヨーロッパ中心主義がヨーロッパで常識であった時代にあってその正当性に懐疑の目を向けた先見性と高い問題意識、自らの命の危険を顧みずに果敢に行動した勇気は高く評価して良いでしょう。
日本人もインディオ同様モンゴロイドであり、白人から見た場合有色人種なのです。
また、この現代の日本の中にも人種差別や偏見がまだまだ多くありますし、無くなる気配は見られません。
ご意見、ご質問等ございましたら、
<ernestotaju@yahoo.co.jp> へ。
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