2013年4月18日木曜日

Juan Valera ファン・バレーラ歿(1905年) Pepita Jiménez ペピータ・ヒメネス


以前日本でも主婦の友社から『ペピータ・ヒメネス』の翻訳(下の買い物欄で古書を購入できます。買い物欄の最初の本です。)が出たこともある、Juan Valera フアン・バレーラが、108年前の今日、1905年4月18日に亡くなりました。
Juan Valera y Alcalá-Galiano (Cabra, Córdoba, 18 de octubre de 1824 ― Madrid, 18 de abril de 1905) fue un diplomático, político y escritor español.
Pepita Jiménez es la primera novela del diplomático, político y escritor español Juan Valera. Publicada en 1874, fue una obra escrita a sus 50 años de edad, aún siendo su ópera prima.
Siguiendo el modelo de Cervantes, Valera hace pensar en la recuperación de un manuscrito encontrado en los papeles de una catedral de Andalucía, en el que se narra una historia sobre unos personajes a los que se cambiará el nombre para preservar su identidad.
En la época de Valera, la obra recibió del público lector y la crítica literaria opiniones muy favorables siendo traducida a diez lenguas y consiguiendo más de 100.000 ejemplares vendidos. Isaac Albéniz escribió una ópera en 1895 basada en está obra.


Juan Valera フアン・バレーラ(1824年10月18日-1905年4月18日)は、貴族の末喬として Cabra カブラ(コルドバ)に生まれました。グラナダ大学とマドリード大学で法律を学んだあと、1849年に外交官となり、イタリアのナポリ、ポルトガルの首都リスボン、ブラジルのリオ・デ・ジャネイロ、ドイツのドレスデンにて職務を遂行してゆきました。1856年-1857年にはオスーナ公爵の秘書としてロシアを旅し、当地でフランス人女優と恋に落ちたこともありました。その後、ドイツのフランクフル卜で暫くの間大使を務めたあと、1867年に20歳以上も年下の女性と結婚しましたが、その後の結婚生活は互いの浪費癖やフアン・バレーラ自身の浮気が原因で幸せとは言いがたかったようです。フアン・バレーラは50歳になる1874年から5年後の1879年にかけて作家活動に入りましたが、家計が逼迫したために再び外交官に戻り、1881年にリスボン、1883年に米国のワシントン、1886年にベルギーの首都ブリュッセルに赴任しました。その後、1893年から1895年にかけてウィーン大使を務め、マドリードに戻ってからは積極的に小説を発表しました。
死の数年前に、「親譲りの土地でも耕していた方が良かったのかもしれない」と Real Academia Española の演説で語った Juaan Valera でしたが、1905年4月9日、同じく Real Academia Española での演説を口述し終わると倒れ込み、それから9日後の、1905年の今日、4月18日、息を引き取りました。享年80歳でした。 
フアン・バレーラの文学技法は厳格な写実主義を目指すというよりも、登場人物たちの言動が作者自身の心理状態や上品な言葉遣いに少なからず左右されるためか、むしろ理想化された写実主義と言えなくもありません。フアン・バレーラの傑作といえばやはり何よりも『ぺピータ・ヒメネス』(1874年)でしょう。



ペピータ・ヒメネス Pepita Jiménez の粗筋
El joven seminarista Don Luis de Vargas regresa a su pueblo natal para unas breves vacaciones allí antes de pronunciar sus votos. Se encuentra con que su padre, Don Pedro, se dispone a contraer nupcias con la joven Pepita Jiménez de 20 años y viuda de un octogenario. Los contactos entre el futuro sacerdote y la joven viuda son novedosos para el joven ya que ha pasado su adolescencia recluido en el seminario. El seminarista acompaña a Pepita en sus paseos por el campo, asiste a reuniones en su casa y, sin darse cuenta, cede poco a poco a una pasión que el considera pecaminosa, pero que se hace más fuerte que su vocación y que su amor por su padre, en el que ve secretamente un rival. Luis se quiere marchar, pero Pepita que le ama y que ha hecho todo lo posible para enamorarle, se finge enferma y le convence de que reconozca su amor y se comunique a su padre. Así lo hace, pero en lugar de hallar la oposición en su padre, éste le dice que lo comprende y que a escondidas había estado haciendo todo lo posible para que las cosas llegasen a su solución natural.
この小説は短い序文に始まり、手紙、補記、終章から構成されています。序文でフアン・バレーラは、数年前に亡くなった大聖堂の司祭長が遺した書類のなかに混ざっていた、手紙の写しなどの紙束を出版したのがこの小説だ、と述べています。手紙は、司祭の叙階を受ける直前の神学生ドン・ルイス・デ・バルガスが叔父である司祭長に宛てたもので、ここから読者は新しい環境に身を移した若き主人公の心境の変化を知ることになるのです。しかし書簡では、ドン・ルイスの恋の結末まで言及されていないため、あとは補記と終章によって一連の恋物語の顛末を補うことになっています。
作中での若きドン・ルイスの夢は、カトリックの信仰を広めることです。夏の間、父のいる実家へ帰った折に、父の婚約者であり近々挙式をあげるという、若くて魅力的な寡婦ぺピータ・ヒメネスと知り合います。当初は父の婚約者としてぺピータを観察するにとどめていたのですが、徐々にその美しさに心を奪われるようになっていきます。物語では、こうしたドン・ルイスの心の葛藤が、アンダルシア地方の美しい自然や農村の様子を背景に見事に描かれています。ドン・ルイスは本来の信仰が寡婦の魅力に打ち負かされないよう村を去る決心をしますが、恋の取り持ち役的な存在ともいえるべピータの百使いアントニョーナの計らいによって、とうとうぺピータに愛を告白することになります。その後、ドン・ルイスは父親に真実を告げると、叔父を通して2人が恋仲にあることを知らされていた父は、動揺するどころかむしろ積極的に若い2人の結婚を支持します。終章には、ドン・ルイスとベビータとの結婚生活、2人の間に子供が生まれたこと、アントニョーナが別れていた夫と縒りを戻したことなど、その後のことが書かれています。
神秘主義思想が世俗の愛に打ち破られるまでのドン・ルイスの心の葛藤が、この作品の主要テーマと意って良いでしょう。ドン・ルイスが最後にとった行動は、一見神聖な天命に反したかのように見えますが、もともと独善と倣慢に由来するもので、本物の神秘思想に基づいたものではなかっただけに、むしろ排他的で間違った天命を放棄したことを意味しているでしょう。いわば、ペピータ・ヒメネスとの恋愛及び結婚こそが、ドン・ルイスにとっての自発的で偽りのない気持ちなのであり、愛情を育むことによって幸せな家庭を築き上げることができるという人間性の勝利の物語となのだと思われます。

日本関係で云えば、Juan Valera は何と『浦島太郎』も書いているのです。以下で拝読可能です。

El pescadorcito Urashima - Biblioteca Virtual Miguel de Cervantes


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