Death of a Salesman 『セールスマンの死』 Muerte de un viajante の2回目です。あらすじをもう一度辿ってみましょう。
ウィリー・ローマンは、その社会的地位も収入も中産階級の底部にあって、猫の額ほどの庭の付いた郊外の家(月賦の家です)に住み、いつかは一旗あげるとの自負心を持ち、子どもたちがやがて出世することを夢みています。(全ての点に於いて典型的な大衆の一人でこの劇を見る大半の観客は主人公の言動にこの上なく近親感を抱くはずです。だからこそ、この劇は大成功したのでしょう。)
ウィリー・ローマンはニューヨークのある事業会社に勤務するセールズマンです。先代の社長とは特に親密で、会社では重要視されていました。しかし、36年も勤続している間に、社長は死去し、今では二代目の若い社長の代になっています。彼の仕事は、ボストンを中心として、ニューイングランド地方に会社の商品の販路を開拓することでした。ローマンも今では六十歳を越え外交員としての成績も落ち、若い社長はローマンから固定給を取り上げ、歩合給だけにしてしまいます。何十年勤めた男であろうと、成績が下がればクビにするというのが若い社長の方針なのです。
ローマンには妻のリンダとの間に二人の息子がいます。長男のビフは高校時代はフットボールの花形選手でしたが、卒業の年に数学の不成績のために落第し、その後転々として職業を変え、34歳の今日まだ身が固まらないでいます。次男のハッピーは事業会社に就職し、アパート(日本流で言うとマンション)に住んで派手に暮らしています。全てを捧げて子どもの立身のために尽くして来た父には、ビフの身の固まらないのが悩みの種です。十数年前ビフは、高校卒業間際に数学で落第点をとったとき、急いで父と相談するために、ボストンに出張中の父をホテルに訪ねました。ビフはそこで出張中の父の不行跡を知ってしまいました。父には出張先に馴染の女がいたのです。少年の胸に宿っていた偶像としての父は、このとき完全に粉砕されてしまいました。この時以来ビフは大学進学の望みを捨て、すっかりぐれて定職もなく今や34歳の中年になっています。
ローマンの生活は苦しい住宅の月賦、冷蔵庫の月賦、保険料と、現在の収入ではその支払いにも事を欠くほどです。生活苦と心配事で幻覚に悩まされ、今では自動車の運転すら危険な状態です。妻の勧めで、ローマンは若い社長に面会して、外交から内勤に回してくれと頼みましたが、にべなく拒絶されたばかりか、ちょっと興奮した言葉のやりとりから会社をクビになってしまいます。久しぶりに家へ帰って来た長男は実は窃盗の罪で、ここ3か月刑務所にいたのだと言います。ビフは父の所に住んで勤められる職を探しますが万事不調に終ります。長男は、一家の不幸の全ての原因は、平凡な一サラリーマンである父が、必要以上に自負心を持ち、子どもにあまり大きな期待を掛けたことにあると言って父を責めるのでした。
ローマンには、過去において、運命を開く機会がありました。山師の兄が、セールズマンをやめて鉱山行きを勧誘してくれたときです。ローマンは兄の勧誘に従って、セールズマンをやめる気はありました。しかし、自尊心が許さなかったのです。彼はセールズマンとして成功していると虚勢を張りました。兄は立去りましたが、それと同時にチャンスも去ってゆきました。
ローマンの幻覚症状は悪化します。アフリカに渡航してダイヤモンドを掘り当てた兄の姿が浮かびます。ローマンは突然自動車に乗り、全速力でダイヤモンドの夢を追って町へ走り出します。
自動車事故で死んだローマンを埋葬する日に、墓の前にいるのは妻と2人の息子の他は、ローマンに生命保険料を貸し与えた隣人チャーリーだけでした。妻のリンダは、家の月賦は今日で全部済んでしまったのに住む人がいなくなったと言って悲しみます。
日本でも滝沢修や仲代達矢(上記写真)の主演で、大いに人々の共感を誘い、大成功しました。今 21 世紀の状況にも充分当て嵌る 傑作です。
La obra se narra desde el punto de vista homodiegetico, en este caso
desde el personaje de Willy Loman. Miller hace una constante, la cual es
el uso de retrospecciones a lo largo de obra, en donde los personajes
del pasado se inmiscuyen en la acción.
Esto proporciona una sensación de ensueño en el que el pasado explica y provoca el presente.
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